次の世代に伝えていく事の大切さ
日本は長寿企業大国、創業200年を超える会社は世界全体のうち40~45%が日本に存在しています。
創業255年を超え、ジョンレノンがこよなく愛した軽井沢万平ホテルの総支配人 山田敏彦氏にお話しをお伺いしました。
軽井沢万平ホテル
総支配人
山田 敏彦 氏
対 談
対 談
㈱ヴィーヴォ
代表取締役
堀本 学 氏
堀本
山田総支配人、本日はありがとうございます。
『この道アルバム』を制作するにあたり、創業255年を越える万平ホテルさんに次の世代に伝えていく想いや意義をお伺いしたくこの場を作らせて頂きました。
まずは万平ホテルの歴史と各界の一流と呼ばれる方々が今なお万平ホテルを利用される理由を教えて下さい。
山田
万平ホテルは1764年明治元年に旅籠『亀屋』として開業しました。
その後AC.ショー氏との出会いをきっかけにして、西洋に視察に行き、現在の万平ホテルの原型ができました。
それから徐々に軽井沢が避暑地として利用されるようになりました。
万平ホテルを長くご利用頂いている方はもう4世代目に入っているんですよ。
今はモノも溢れ、以前よりも豊かな時代になりました。
私どもホテルは、ラテン語のホスピスが語源です。
戦争で傷ついた人々を無償で治療をし癒す場でした。
そこにあるのは相手を思う心です。人に関心を持ち人を好きになることがとても大切です。
形や機能だけで本当の意味のおもてなしは出来ないのです。
有名な俳優さんから頂いたとてもステキな言葉が忘れられません。
「山ちゃん、人は後ろを向いた時にその人の顔がわかるんだよ」
相手から目をそらした時、後ろを向いた時に本音が出る。
背中を見てもその人の顔が分かる、という意味だと解釈しました。
堀本
人に寄り添い、そして人を愛するが故の人間味のある深い言葉ですね。
山田
私どもは【選ばれるホテル】を目指していません。
【愛されるホテル】を目指しているのです。
だから、ここで働くスタッフはお客様に愛されないといけない。
その為にもお客様に関心を持ち、愛する心が必要なんです。
堀本
とてもステキな考え方ですね。
万平ホテルが愛され続ける理由が少しわかった気がします。
今回多くの方のご要望で『この道アルバム』のサービスを開始します。
総支配人は、このサービスをどのように思われますか?
山田
私達も創業のイベントの際は、過去の文献や資料を探すのに相当の労力を費やします。
その中で、その時どのような出来事があり、どの様に感じ、どの様な判断をされたかがわかる資料が見つかった時には、大きな感動を覚えます。
私達も次の世代に引き継いでいくことの重要性を身に染みて感じますし、その難しさを日々痛感しています。
そうした意味も含め、とても意義のある事だと思います。
自分の子どもや孫に、自分がどの様な考え方をし、どのような人生を歩んだのかを伝える事は、子どもや孫にとってどれほど心強い財産になるか計り知れません。
そう望んでおられる方はとても多いのではないでしょうか。
堀本
今は高齢者と言っても元気な方が多いです。
ご自身が、これから新しいフィールドで活躍される為にも今までの歩みを総括する、そんな機会にしていただければと考えています。
山田総支配人、本日はありがとうございました。